太陽光発電のセカンダリー市場とは?市場規模やメリット・デメリットを解説

太陽光発電のセカンダリー市場とは?市場規模やメリット・デメリットを解説

近年、太陽光発電のセカンダリー市場が盛り上がりを見せています。一体なぜ、セカンダリー市場が拡大しているのでしょうか?

この記事では、そもそもセカンダリー市場とは何かを説明した上で、市場規模や拡大している理由、メリット・デメリットなどを解説していきます。セカンダリー案件に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

太陽光発電のセカンダリー市場とは?

太陽光発電のセカンダリー市場とは、中古の太陽光発電の市場です。セカンダリーは日本語で「二番目の」という意味があり、太陽光発電においてはすでに稼働しているものを指します。

また、中古の太陽光発電の売買をセカンダリー案件と言います。セカンダリー案件は、過去の発電量が明確であり、売電収入を予測できるのが特徴です。

新設の太陽光発電の場合、稼働後に予期せぬトラブルに見舞われてしまうかもしれません。しかし、中古の太陽光発電であれば、このようなトラブルを避けられるため、安心して導入できるでしょう。

中古の太陽光発電に投資するメリット・デメリットは、以下の記事で詳しく紹介しています。合わせて参考にしてください。
中古太陽光発電所に投資するメリット・デメリット|購入する際の注意点やおすすめ業者をご紹介

セカンダリー市場の動向

セカンダリー市場、つまり中古の太陽光発電の市場は年々拡大しています。2017年度に発電出力ベースで300MWだった市場規模は、2021年度には1,200MWまで拡大すると予測されています。

参考:太陽光発電所セカンダリー市場の市場規模推移・予測|矢野経済研究所

セカンダリー市場が拡大した3つの理由

セカンダリー市場が拡大した理由は、以下の3つです。

  1. FIT価格が年々安くなっているから
  2. 制度改正により低圧太陽光発電の全量売電ができなくなったから
  3. 再生可能エネルギーへの関心が高まっているから

1. FIT価格が年々安くなっているから

FIT(固定価格買取制度)で定められている価格は、年々安くなっています。そのため、新設の太陽光発電を購入するよりも、セカンダリー案件の方がFIT価格が高くなっており、その分売電収入が期待できるのです。

産業用太陽光発電を例に挙げると、2012年のFIT価格は42円/kWでした。ところが、2023年には16円/kWまで下落してます。FIT価格下落の背景には、導入費用が安くなっていることなどがありますが、FIT価格が安くなっていることはセカンダリー市場が拡大している大きな理由の一つです。

2. 制度改正により低圧太陽光発電の全量売電ができなくなったから

FITは2020年に制度改正され、低圧太陽光発電(10kw以上50kW未満)は全量売電ができなくなりました。全量売電ができなくなると、その分売電収入が減少します。この理由により、低圧太陽光発電を手放す人が増えて、セカンダリー市場が拡大したのです。

もともと低圧太陽光発電は、高圧太陽光発電に比べて初期費用を抑えられるため、企業や個人が多く投資していました。しかし、この制度改正によって、低圧太陽光発電のセカンダリー案件が増加しています。

3. 再生エネルギーへの関心が高まっているから

これまで太陽光発電所は、投資家が投資目的で購入するのが一般的でした。しかし、再生エネルギーへの関心が高まっていることで、太陽光発電の導入を検討する企業が増えている状況です。

再生可能エネルギーへの関心の高まりは、地球温暖化の問題が影響しています。地球温暖化の問題が深刻化する中で、SDGsや再生可能エネルギーへの関心は今後さらに高まっていきます。そのため、企業で太陽光発電所を導入する動きは、さらに加速していくでしょう。

セカンダリー案件を購入するメリット

セカンダリー案件を購入するメリットは、以下の2つです。

  • 過去の売電実績を確認できる
  • 購入後すぐに売電を開始できる

過去の売電実績を確認できる

セカンダリー案件は、すでに稼働している太陽光発電所の売買を指します。そのため、過去の売電実績を確認でき、売電収入を予測できるのがメリットです。

一方で、新設の太陽光発電所の場合は、発電量がシミュレーションを下回ったり、稼働後すぐに故障したりする可能性があります。つまり、セカンダリー案件の方が、安心して購入できると言えるでしょう。

購入後すぐに売電を開始できる

新設の太陽光発電所の場合、設置工事やFIT申請などをしなければならず、購入から稼働までに数ヶ月ほど必要です。対してセカンダリー案件であれば、工事や申請が不要であり、すぐに売電収入を得られます。このように、購入後すぐに売電収入を得られることも大きなメリットです。

セカンダリー案件を購入するデメリット

反対に、セカンダリー案件を購入するデメリットは以下の2つです。

  • FITの残存年数が少ない場合がある
  • 立地やメンテナンス状況の確認が必須

FITの残存年数が少ない場合がある

FITにより固定価格での買取期間は定められており、産業用太陽光発電の場合は20年となっています。セカンダリー案件は、このFITの残存年数が少ないケースがあるため、注意が必要です。

セカンダリー案件を購入する際には、FITの残存年数を必ず確認しましょう。もし残存年数が少ないと、期待している売電収入が得られない可能性があります。

セカンダリー案件を売る側もFITの残存年数を考慮して販売価格を設定していますが、買う側もしっかりと利回りを計算して、妥当な価格かを確認することが大切です。

立地やメンテナンス状況の確認が必須

セカンダリー案件の中には、太陽光発電所の立地が悪い、故障しているなどの理由で売却しているものもあります。それらの理由を隠して、相場と同等の価格で売却している可能性があるため、購入時には立地やメンテナンス状況の確認が必須です。

また、これまでの稼働実績も確認しながら、慎重に購入を検討しましょう。

中古の太陽光発電所を高く売る方法

太陽光発電所の売却を検討しているのであれば、以下3つの方法を実践することをおすすめします。できるだけ高く売り、収益を増やしましょう。

発電設備のメンテナンスを徹底する

中古の太陽光発電所を高く売るためには、発電設備のメンテナンスを徹底することが重要です。メンテナンスを怠ると、発電効率が低下したり、機器が故障したりするリスクが高まります。そのため、メンテナンスを実施していない太陽光発電所は、相場よりも低い査定となってしまうのです。

また、故障している太陽光発電所をそのまま売却をすると、相場の価格を大きく下回ってしまいます。そのため、メンテナンスを徹底すること、故障している場合は修理してから売却することがとても大切です。メンテナンスの実績は残しておき、査定を依頼するときに証拠として提出するとよいでしょう。

十分な売電実績を作っておく

十分な売電実績を作っておくことも、中古の太陽光発電所を高く売る上で欠かせません。例えば、稼働して1ヶ月の太陽光発電所と5年の太陽光発電所を比較すると、5年の太陽光発電所の方が売電実績において信頼性があります。

また、十分な売電実績を作った上で、その売電実績を証明することが肝心です。これまでの実績を残しておき、査定を依頼するときに、メンテナンス実績とともに提出しましょう。

FITの期間を残しておく

FITの期間をある程度残しておくこともポイントです。残存期間が5年のセカンダリー案件よりも、15年のセカンダリー案件の方が査定金額が高くなることは明らかでしょう。

ある程度の期間を残しておかないと買い手が付きにくいです。売却を検討しているのであれば、早めに売却することをおすすめします。

太陽光発電所の売却については、以下の記事で詳しく解説しています。売却を検討されている方は、ぜひチェックしてみてください。
太陽発電所の売却相場|高く売るコツやおすすめの業者を紹介

太陽光発電所の売却ならプレグリップエナジーがおすすめ

この記事では、太陽光発電のセカンダリー市場の概要や拡大している背景、メリット・デメリットなどを紹介しました。

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