中古の太陽光発電が人気の理由を解説!デメリットはあるの?選び方や注意点を解説

近年では、中古の太陽光発電が人気になりつつあります。中古の太陽光発電は新品で購入するよりも安く購入でき、すぐにリターンが得られるメリットがあります。しかし、メリット・デメリットどちらも理解しないと、中古の太陽光発電をうまく運用できないかもしれません。
そこで今回は、中古の太陽光発電がなぜ人気なのかを具体的に解説します。中古の太陽光発電の選び方や注意点も合わせて紹介するため、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

中古の太陽光発電が売り出されている理由

近年は中古の太陽光発電がとくに人気で、市場では数多くの中古の太陽光発電が売りに出されている現状でもあります。たくさんの太陽光発電が売りに出されている原因を知っておくと、中古の太陽光発電を買うべきかを判断できるでしょう。ここでは、中古の太陽光発電が売り出されている理由について解説します。

節税対策の目的を果たした

大量に太陽光発電が売りに出されている理由のひとつに、節税対策の目的を果たしたことが挙げられます。太陽光発電を購入すると、減価償却の対象になり節税効果が期待できます。しかし、法定耐用年数を経過した事業用太陽光発電は節税対象ではなくなります。節税対象ではなくなると、太陽光発電を運用するメリットが少なくなるため売却する方が増えたと考えられます。
太陽光発電を運用するには、節税対策をきちんと考える必要があります。減価償却費や維持費を経費計算したり、税制優遇の控除を受けたりすると節税できますが、太陽光発電を運用すると法人税や所得税、固定資産税などの税金がかかります。太陽光発電を運用するための税金について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
太陽光発電を活用した節税とは|法人・個人事業主向けに方法や計算方法を紹介

急遽キャッシュが必要となった

急遽キャッシュが必要になったため、太陽光発電を売却する方もいます。太陽光発電を運用すると収入を得られますが、収入を得るためには運用コストが必要です。会社の業績によりキャッシュを必要とすることがあるため、とくにコロナの時期には太陽光発電を売却する方が急増しました。景気や事業の業績により、太陽光発電を売却するか検討する会社が存在します。
単に大きなキャッシュを得るために太陽光発電を売却する会社もあり、太陽光発電の設備自体に異常がないものも多いです。中古の太陽光発電のなかには状態のよいものが販売されていることもあるため、新品で買うよりもお得に購入できることがあります。

低圧太陽光発電の全量売電ができなくなった

低圧太陽光発電の全量売電ができなくなったことも、太陽光発電が売りに出された理由のひとつです。太陽光発電の制度が2020年度に大きく変わり、低圧太陽光発電の全量売電ができなくなりました。したがって、制度変更後に10kW以上50kW未満の太陽光発電を購入した方の収益は以前よりも低下しています。
2020年度以前の低圧太陽光発電は、今でも問題なく全量売電が可能です。もし低圧太陽光発電の購入を考えている方は、2020年度以前の中古の太陽光発電を購入するとよいでしょう。

中古の太陽光発電が人気の理由は?購入するメリットを紹介

中古の太陽光発電が人気の理由はいくつかあります。太陽光発電を購入するメリットを理解できると、中古の太陽光発電の必要性がわかります。中古の太陽光発電が人気である理由について4つ解説します。

実績把握ができるため投資リスクを減らせる

中古の太陽光発電は、実績把握が可能なため投資のリスクを減らせます。中古の太陽光発電は過去の運用データがあるため、利回りを計算しやすいです。前オーナーの発電実績や発電効率の記録をもとに運用すると、失敗リスクを回避できます。
新品の太陽光発電の場合は検証データがないため正確なデータは予測できませんが、中古の太陽光発電は過去のデータを確認して購入できるメリットがあります。

FIT売電価格が高く設定されている

中古の太陽光発電は、FIT売買価格が現在のFIT価格より高く設定されています。FIT売買価格は購入した日付ではなく、FIT認定が認められた年月であるため、中古の太陽光発電は高い固定売買価格で販売できるメリットがあります。

FIT価格は年々減少傾向にあり、2012年と2020年を比べると約21円の差があります。1kWhあたり21円の差があると、40kWで運用すると年間80万円以上の収益の差があることになります。
FIT認定取得年度が古いと固定売買価格は高いですが、設備の状態を考慮して購入する必要があります。売買価格が高くても、中古の太陽光発電の設備の状態が悪ければ適宜メンテナンスを行う必要があり、修理費用が高くなる場合があります。以下の記事では、FIT(固定価格買取制度)やFITのメリット・デメリットについて詳しく紹介していります。ぜひ合わせてご覧ください。
FIT(固定価格買取制度)とは|買取価格の推移やメリット・デメリットを解説

運用開始までの期間が短く済む

中古の太陽光発電を購入すると、運用開始までの期間が短くて済みます。新しく太陽光発電を購入すると、FIT認定や設備の設置などが必要なため、すぐに運用は始められません。一方、中古の太陽光発電を購入すると名義変更手続きのみで運用でき、すぐに収入を得られます。

新品の太陽光発電を購入して設置まで時間がかかると、収益を得るのが遅くなります。また、太陽光発電の新品を購入した場合は工事が必要であり、工事のスケジュールにより運用予定日が大幅にずれる可能性があります。早く収益化したい方は、中古の太陽光発電を設置するのが望ましいです。

融資が通りやすい傾向にある

融資を受けようと考えている方は、中古の太陽光発電がおすすめです。中古の太陽光発電は今までの実績データをもとに収益を予測できるため、融資を受けやすいメリットがあります。新規で太陽光発電を設置すると、事業の信憑性がないため融資を受けられない可能性があります。少ない資金で太陽光発電所の設置を考えている方は、融資を受けて運用するのがよいでしょう。

中古の太陽光発電を購入するデメリット

ここまでは、中古の太陽光発電を購入するメリットを解説しましたが、デメリットもいくつかあります。中古の太陽光発電の購入では、具体的にどのようなデメリットがあるかを見ていきましょう。

「生産性向上設備投資促進税制」が適用されない

平成28年4月1日~平成29年3月31日に新規で太陽光発電を購入した方は、生産性向上設備投資促進税制が適用されました。生産性向上設備投資促進税制が適用されると、特別控除4%か特別償却50%が受けられるため、大きな税制対策になります。
しかし、この特別措置を受けるには新規で太陽光発電を購入する必要があり、中古の太陽光発電を購入した方は対象外です。特別措置を目的として中古の太陽光発電を購入しても、特別措置のメリットを受けられないため注意が必要です。

固定価格での買取り期間が短い可能性がある

中古の太陽光発電を購入すると、固定価格での買い取り期間が短くなるのがデメリットです。新規の太陽光発電で10kW未満の太陽光発電を購入した場合、10年間は固定買い取り可能です。産業用の10kW以上の太陽光発電であると、20年間は固定買い取りで売電できます。
しかし、太陽光発電を中古で買った場合は、FIT認定の残りの残存期間しか固定価格で売電できません。たとえば、10年間稼働した産業用の太陽光発電を購入した場合は、残り10年間しか固定買い取り価格で売電できないことになります。中古の太陽光発電を購入する際は、固定買い取り価格の残存期間を確認する必要があります。

メンテナンスの頻度が多くなる場合がある

中古の太陽光発電は、新規で太陽光発電を購入するよりもメンテナンスの頻度が多くなります。購入する前に状態を写真で確認しても、設備の細かい部分までは確認できないため、設備が傷んでいる可能性があります。メンテナンスの回数が多くなると資金の回収が難しくなり、利回りが悪くなります。

近隣住民とのトラブル発展や設備不良の可能性がある

中古の太陽光発電を購入する際は、近隣住民とトラブルが起きていた可能性があります。前オーナーと近隣住民がトラブルを起こしていると、太陽光発電を上手く運用できないかもしれません。購入する前に、近隣住民との問題がないことを確認しましょう。
また、中古の太陽光発電の設備不良の可能性もあるため、どのくらい発電できるか状態を確認してください。太陽光パネルは10年以上の耐久性がありますが、風や雨、地震などの自然災害により設備の劣化が進んでいるかもしれません。自然災害以外にも動物による損害などもあるため、購入する際は実績データをもとに購入するかを判断しましょう。

中古の太陽光発電を選ぶ際のチェックポイント10

中古の太陽光発電を選ぶ際には、いくつかチェックすべきポイントがあります。購入を検討している方は、以下の10のポイントを確認してください。

1.発電量と発電量の下落率

中古の太陽光発電を購入する際は、発電量の下落率を計算しておく必要があります。太陽光発電は、時間の経過とともに発電効率が下落します。実績データをもとに購入すべきですが、売電収入だけで判断すると発電効率はわかりません。確認する際は、1kWあたりいくら売電できるか発電率で判断しましょう。

2.太陽光パネルとパワーコンディショナーのメーカー

太陽光パネルやパワーコンディショナーのメーカーを確認することも重要です。メーカーを確認して購入しないと、適切な保証がない場合があります。太陽光パネルのメーカーは大手に絞っても20社以上、パワーコンディショナーの会社は10社以上もあり、信頼のおける会社の設備を購入するのが望ましいです。
購入する際は信頼のおける会社だけでなく、現在も生産されているかも確認しなければなりません。設備の生産が終了しているメーカーでは、壊れた際に修理を依頼できない場合があるためです。修理を行えない場合は、ほかのメーカーの設備を使用しなければならないため、発電効率が下がる場合があります。
パワーコンディショナーは、とくに確認が必要です。四国電力で使用されていた新電元製のパワーコンディショナーは、現在生産されていません。そのため、ほかのメーカーと組み合わせて使用する必要があり、故障した際にはすべて取り換えなければいけないケースがあります。現在生産されているか、代替メーカーに交換可能であるかを事前に調べておくことが重要です。

3.過去のトラブル履歴

過去に何かトラブルがあった可能性があるため、履歴を確認することが重要です。太陽光発電が原因で近隣住民とトラブルがある場合は、太陽光発電を運用するのが難しい場合があります。とくに、敷地の境界線や騒音などでトラブルになることが多いです。
過去のトラブル履歴を確認するには、これまでの発電量を調べることが重要です。過去の発電量を調べると、発電量が停止している期間を閲覧できるため、過去に事故を起こしたかどうかを確認できます。過去に発電量が止まっている場合は、前オーナーに原因を聞いてみましょう。

4.設置エリアの災害リスク

設置エリアの災害リスクも確認する必要があります。洪水や台風により、太陽光発電の設置場所が災害を受けやすい可能性があります。災害に巻き込まれると、太陽光発電を購入してもすぐに使用できなくなります。
災害が起こりやすいかどうかは、国土交通省のハザードマップを確認しましょう。ハザードマップで確認すると、その土地が洪水や土砂災害エリアかどうかを判断できるため、洪水や土砂災害が多い地域の太陽光発電の購入を避けられます。
ハザードエリア内にある中古の太陽光発電所は、ほかの太陽光発電よりも安い傾向にあります。災害のリスクと得られるリターンを考えて、購入を検討するのがよいでしょう。

5.ランニングコスト

売電収入だけでなく、メンテナンス費用などランニングコストを踏まえて購入を検討しましょう。太陽光発電を運用するにあたり、コストを下げることを意識しなければなりません。たとえば、中古の太陽光発電所の周りに防草シートが取り付けられていないと、除草費用が高くなるため、安くおさえられる方法の確認が必要です。
発電量が多くても、太陽光パネルの枚数が単に多いだけでは発電効率が悪い場合があります。中古の太陽光発電を購入する際は収支のバランスを考えて、前もってシミュレーションをしたほうがよいでしょう。

6.FIT期間の残存年数

中古の太陽光発電を購入する際は、FIT残存期間を確認しましょう。FIT残存期間が少ないと、FIT認定が終了したあとには売電価格が安くなり損をする場合があります。FIT期間が終了しても、場所によっては電気需要が高く効率がよい太陽光発電もあるため、購入前に将来どのくらいのリターンを得られるかを計算しましょう。

7.設置エリアの電気需要の高さ

太陽光発電の設置エリアにより、電気需要の高さは異なります。田舎などのあまり電力を必要としない地域では、太陽光発電を運用しても売電収益を効率的に上げられない場合があります。
関西や東京、中部電力の管轄にある太陽光発電は、電気需要が高いです。長期的に太陽光発電を運用したい方は、需要の高い地域の中古の太陽光発電を購入しなければいけません。電気の需要が高い地域では、FIT期間が終了している再生エネルギーを欲しがる会社も多いです。地域の電気需要の高さを調べることが、長期的に成功することにつながるでしょう。

8.過去の運用の適切さ

購入しようとしている太陽光発電の過去の運用状況についても確認しましょう。過去に事故を起こしたり、トラブルに巻き込まれたりしている太陽光発電を購入すると損をします。太陽光発電の扱いが適切でないと、通常の寿命よりも短くなる可能性があるため、適切な運用をしてきたかも確認してください。

9.抵当権付きの土地かどうか

中古の太陽光発電の土地が、抵当権付きの土地かどうかを確認しましょう。抵当権がついたままの土地は売買可能であり、抵当権が付いた土地を購入するとリスクが増えるため注意が必要です。抵当権付きの土地を購入した際に土地の販売者が融資の支払いを行えない場合は、抵当権の付いた土地を競売にかけられる可能性があります。
土地に抵当権がついている場合は、購入前に抵当権の抹消を行います。抵当権を抹消するには、残債分を売主に支払うよう交渉します。売主が残債分を完済できない場合は、ほかの土地の太陽光発電を選ぶほうがよいでしょう。

10.発電システムの保証内容、保証期間

発電システムの保証内容や保証期間を確認することも重要です。中古の太陽光発電を購入した際に、発電システムの保証内容がわからないと故障した際に修理を依頼できないかもしれません。保証期間が残っていると、中古の太陽光発電を購入した際でも無料で修理してもらえるため、どのような保証があるかを確認してください。

中古の太陽光発電を購入する際の注意点

中古の太陽光発電を購入する際は、いくつか確認事項が必要です。業者選びや将来性についてきちんと確認しておかないと、上手く太陽光発電を運用できないでしょう。中古の太陽光発電を購入する際の注意点について解説します。

安全に取引ができる業者を選ぶ

中古の太陽光発電を購入する際は、安全に取引ができる業者を選びましょう。業者により保証内容や販売価格が異なるため、ご自身の希望に合う業者を探す必要があります。業者のなかには悪徳業者も存在し、太陽光発電が故障しているにもかかわらず、修理せずそのまま販売する業者もいます。悪徳業者に騙されないためには、中古の太陽光発電を購入する前にご自身の目で状態をきちんと確認する必要があります。
良心的な業者を探すには、利用者の口コミや販売している業者を調べることが重要です。利用者の口コミがよい業者は、品質の高い中古の発電所を販売している可能性が高いです。また、業者の販売数を調べることで、その業者の専門性を確認できます。

将来性についてしっかり検討、見極めをする

将来性を見極めてから中古の太陽光発電を購入しましょう。中古の太陽光発電は、すぐに売電収益を上げられるメリットがありますが、ランニングコストや初期費用を考慮したうえで判断しないと失敗します。太陽光発電の運用に失敗すると総合的に赤字になり、太陽光発電を設置する意味がなくなります。ご自身で収支シミュレーションを行えない場合は、信頼のある業者に依頼して計算してもらいましょう。

まとめ | 中古の太陽光発電の購入はプレグリップエナジーで

今回は、中古の太陽光発電が人気の理由について解説しました。中古の太陽光発電は、新規で購入するよりも購入費用が安く、すぐに始められるメリットがあります。しかし、設備の状態がよくなかったり土地に抵当権が付いていたりすることもあるため、購入前にはきちんと確認しなければいけません。太陽光発電の選び方や注意点を理解して、うまく運用しましょう。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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