太陽光発電用に土地貸しするメリットや賃料収入の相場、注意点を解説

太陽光発電用に土地貸しするメリットや賃料収入の相場、注意点を解説

広い土地を所有しているが、どのように活用すればいいか分からないという方もいるのではないでしょうか?有効な活用方法の一つに、太陽光発電用の土地貸しがあります。

太陽光発電用の土地貸しは、土地の手入れが不要になり、税金対策にもなります。対してデメリットもあるので、どちらも理解した上で検討する必要があります。

この記事ではこのような悩みでお困りの方に向けて、太陽光発電用に土地貸しするメリットやデメリット、賃料収入の相場などについて解説していきます。

目次

太陽光発電用の土地貸しとは

太陽光発電用の土地貸しとは、太陽光発電所を設置するための土地を貸すことです。太陽光発電とは、二酸化炭素を排出しない発電方法であり、環境への負担が少ない再生可能エネルギーとして注目されています。

太陽光発電用に土地を貸すことで、賃貸収入を得ることができるのはもちろん、地球環境問題の解決にも貢献することができます。

太陽光発電の特徴や仕組みについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説|特徴や問題点も合わせて紹介

太陽光発電用に土地貸しする3つのメリット

太陽光発電用に土地貸しするメリットは、以下の3つです。

  1. 余った土地を有効活用できる
  2. 節税対策にある
  3. 土地管理の負担を軽減できる

1. 余った土地を有効活用できる

これまで活用方法に困っていた土地を、土地貸しによって有効活用することができます。田舎に土地を所有している場合、アパートなどを建てても収益が見込めないことがあるでしょう。このような土地を太陽光発電用に貸すことによって土地を有効活用でき、安定した収入を生み出してくれます。

太陽光発電は、FIT制度によって20年間(産業用太陽光発電の場合)固定価格での買取が約束されています。そのため、20年間は土地所有者も安定した賃料収入を得ることができるのです。

2. 節税対策になる

所有している土地を貸し出すことは、税金対策になります。土地を所有者以外が利用しているということで、土地の評価額が下がるためです。太陽光発電用に土地を貸し出す場合は、相続税を節税することができます。相続税は、借地権の残存期間に応じて土地評価額を下げることができます。

3. 土地管理の負担を軽減できる

所有している土地を放置しておくと、不法投棄の温床となったり、近隣住民から苦情が入ってしまうことがあります。このような事態を防ぐためには、草木の手入れなどの定期的なメンテナンスが必要です。

しかし、太陽光発電用に土地を貸すことで、そのようなメンテナンスが不要になります。太陽光発電の発電効率を維持するためには草木の手入れが必要なため、すべて太陽光発電の事業者が対応してくれます。土地を貸すことで、土地管理の負担を軽減することもできるのです。

太陽光発電用に土地貸しする3つのデメリット

反対に、太陽光発電用に土地貸しするデメリットは以下の3つです。

  1. 土地を売却しづらくなる
  2. 収益性は高くない
  3. 土地を自由に使えなくなる

1. 土地を売却しづらくなる

土地貸しの契約を結ぶと、契約期間中は土地を自由に使えなくなります。産業用太陽光発電の固定買取期間は20年のため、20年以上で契約を結ぶケースが多いです。

借地権付きの土地は売却がしづらく、売却できたとしても相場より安い値段になってしまう可能性が高いです。将来土地の売却を検討しているのであれば、太陽光発電用に土地貸しすることはあまりおすすめできません。

2. 収益性は高くない

太陽光発電用の土地貸しは、毎月一定の収入が入ってきます。しかし、アパートなどの賃貸経営や、太陽光発電の自営の方が収益性は高いです。

ただし、所有している土地周辺ではアパートや駐車場の需要がない、土地を有効活用できてないなどの場合は、太陽光発電用の土地貸しは有効な手段と言えるでしょう。

3. 土地を自由に使えなくなる

先述したように、太陽光発電用の土地貸しを契約すると、自由に土地を使えなくなってしまいます。途中で他の用途に使用するために契約を中断してしまうと、多額のペナルティが課せられてしまうこともあります。

太陽光発電の借地契約には、普通借地と定期借地の2種類があります。普通借地は借地側に有利な内容となっているため、太陽光発電用地として土地を貸す場合は定期借地権で契約を結ぶようにしましょう

太陽光発電の土地貸しによって得られる賃料相場

経済産業省の資料によると、太陽光発電の土地貸しによって、年間150円(1㎡あたり)の収入を見込むことができます。例えば3,000㎡の土地であれば、年間で45万円の収益になります。ただし、この賃料相場は発電容量や事業者によって異なるため、あくまでも参考にしてください。

太陽光発電用に土地貸しする際の注意点

太陽光発電用に土地貸しする際の注意点は、以下の2つです。

  • 交渉や手続きは慎重に進める
  • 近隣トラブルに注意する

交渉や手続きは慎重に進める

農地に太陽光発電を設置する場合は農地転用の手続きが必要になったり、実際に土地貸しをする場合は業者と交渉をしたりする必要があります。複雑な手続きもあるため、できるだけ慎重に進めるようにしましょう。

また、業者の中には安い価格で土地を買い上げるところもあります。土地貸しを行う業者は複数検討して、契約内容を比較することが大切です。長期での契約になるため、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

業者選びのポイントは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電は業者選びが重要!ポイントやおすすめの施工業者を紹介

近隣トラブルに注意する

太陽光発電を設置すると、近隣トラブルに発展することがあります。例えば、太陽光パネルの反射によって苦情が出たり、太陽光発電設備の破損によって近隣住民に被害を与えてしまったりすることが想定されます。普段から近隣住民との関係性を築いておき、トラブルが発生しないように注意しましょう。

太陽光発電の土地貸しに向いている土地

太陽光発電の土地貸しに向いている土地は、以下の2つの特徴を持ちます。

  • 日照時間が長い土地
  • 一定の広さがある土地

日照時間が長い土地

太陽光発電は、日照時間が重要になります。日照時間が長ければ長いほど、売電収入が期待できるからです。山の中腹や森の中は、日照時間が期待できない可能性があるので、その場合は一度業者に相談することをおすすめします。

一定の大きさがある広い土地

広い土地は太陽光発電の土地貸しに向いています。土地が広さに比例して、売電収入は高くなるからです。目安としては、1kW当たり15㎡の広さが必要とされています。太陽光発電投資では100kW以上の需要が高いため、1,500㎡以上の土地の広さがあるといいでしょう。

まとめ

この記事では、土地貸しするメリットや賃料収入の相場、注意点などを紹介しました。太陽光発電用の土地貸しは、アパート経営などの需要がなく、有効活用できていない土地を所有している場合におすすめです。持て余している土地がある方は、太陽光発電用の土地貸しを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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