太陽光発電が普及しない8つの理由とは?日本の普及率や今後について解説

海外と比べると日本では、太陽光発電の普及率が低いのが現状です。

日本で太陽光発電が普及しない背景にはいくつか原因があるため、太陽光発電のメリット・デメリットを知る必要があります。

そこで今回は、日本の太陽光発電の普及率や太陽光発電が普及しない原因について解説します。今後、太陽光発電が普及するといわれている理由もあわせて確認してみましょう。

目次

太陽光発電が普及しない8つの理由

太陽光発電が普及しない原因はひとつではありません。太陽光発電を運用すると売電収入が得られますが、デメリットもいくつか存在します。どのような理由が原因で太陽光発電が普及しないかを8つの理由に分けて解説します。

1.初期費用が高額

太陽光発電が普及しない原因のひとつに、初期費用が高額な点が挙げられます。太陽光発電を運用するにはある程度のコストが必要であり、初期費用を回収するまでに何年もかかります。初期費用を支払わなければ太陽光発電を運用できないため、普及しづらい要因となっています。

初期費用は、太陽光発電の規模の大きさにより異なります。数百万円~数千万円までと幅が広く、太陽光パネルの枚数や土地の面積により初期費用の高額さは変わります。そのため、収支シミュレーションを念入りに行わないと失敗する可能性があります。
新規で太陽光発電を購入すると高額になるため、中古の太陽光発電を購入する方も増えています。中古の太陽光発電を購入すると初期費用をおさえられるだけでなく、FIT認定の古い太陽光発電を取得できるなどいくつかメリットがあります。
しかし、中古の太陽光発電であっても初期費用が高額になることは変わらないため、だれでも気軽に導入できないことが太陽光発電の普及が進まない原因といえるでしょう。

2.売電価格が年々下落している

太陽光発電が普及しない原因に、売電価格が挙げられます。太陽光発電を運用すると発電した電力を売電できますが、この売電価格が年々下落しているため太陽光発電が普及しない原因となっています。FITの認定を受けた年により売電価格は決定されるため、新規で太陽光発電を購入すると中古の太陽光発電よりも売電価格は低いです。
中古の太陽光発電を購入すると、FIT認定の古い太陽光発電を購入できます。売電価格を求めて、新品ではなく中古の太陽光発電をあえて購入する方も増えています。売電価格だけで太陽光発電を購入するならば、中古の太陽光発電のほうがよいでしょう。

3.補助金や制度の仕組みが複雑で分かりにくい

太陽光発電を設置するには初期費用がかかりますが、状況によっては補助金を受けられます。制度や補助金の仕組みのわかりにくさが、太陽光発電が普及しない原因ともいわれています。太陽光発電を設置すると国の制度を利用でき、初期投資の負担を軽減できます。制度が認知されていないことが問題であり、多くの方に補助金や制度の仕組みを知ってもらうと太陽光発電の購入者が増えるでしょう。
新築住居に太陽光発電を設置した際は、補助金がもらえます。条件付きではありますが、55万円~100万円の補助金を得られるため、補助金制度や制度の仕組みを知っておくことが重要です。
また、補助金は国の制度だけではありません。地域により太陽光発電の制度が細かく決められているため、住んでいる地域の制度も調べる必要があります。どのような補助金を使用できるかを知りたい場合は、専門業者に調べてもらいましょう。

4.災害時に二次災害が起こる可能性がある

災害などによる二次災害リスクが、導入のハードルを上げています。太陽光パネルやパワーコンディショナーは台風や大雨、地震などにより故障することがあります。設備が故障すると修理が必要になり、収入よりも支出のほうが多くなるため気軽に導入できないと感じます。
太陽光発電の運用を始める際は、二次災害を考えて設置する必要があります。災害が起こることを想定してどの保険に入るかが重要であり、選んだ保険によっては災害に対応していない場合があるため注意が必要です。保険内容でどこまで損失をカバーできるかを確認して、いくつかの保険を組み合わせるのが望ましいです。

5.メンテナンスや保守点検費用が発生する

太陽光発電を運用するには、メンテナンスや保守点検が必要です。メンテナンスや保守点検は初期費用に含まれておらず、追加で費用が必要です。ランニングコストが必要なため、太陽光発電の普及を妨げています。
費用を節約するために、メンテナンスを怠るのはいけません。費用をおさえようとメンテナンスを怠ると、太陽光発電の発電効率が低下します。発電効率が低下するだけでなく災害時のリスクも増加するため、メンテナンスや保守点検はきちんと行わなければなりません。メンテナンスや保守点検が負担と感じ、太陽光発電の導入をあきらめている方も多いようです。

6.天候や環境による影響を受けやすい

太陽光発電は、天候や環境による影響を受けやすいデメリットがあります。天候が悪ければ発電を行えず、発電をコントロールしづらい側面があります。太陽光発電を運用する際は、天候だけでなく場所によっても日照時間が異なるため、設置する場所をきちんと検討しなければなりません。
木や建物の陰になったり日光が反射したりと、環境の状態により太陽光発電を設置できない場合があります。天候をコントロールできないため、発電量を予測しづらいのが普及しない原因とも考えられます。
一方、中古の太陽光発電では過去の実測データをもとにして発電量を確認できます。新品の太陽光発電では設置してみないと詳細なデータは得られませんが、中古の太陽光発電は予測を立てやすいメリットがあります。

7.元が取れるかが分からない

太陽光発電を設置しても、シミュレーションどおりに上手く運用できるとは限りません。太陽光発電を運用することで売電収入を得たり、自家消費したりできますが元がとれない場合があります。元がとれるかは、きちんと収支を計算して計画的に進める必要があります。
しかし、太陽光発電は環境や天候により大きく左右されます。それ以外にも経済リスクや予測できない問題が起こる可能性もあるため、リスクと照らし合わせなければいけません。確実に元がとれるわけではないため、太陽光発電を設置しないほうが多いです。

8.近隣とのトラブルになる可能性がある

近隣住民とのトラブルも太陽光発電の普及を阻害する大きな問題のひとつです。太陽光発電を設置する際には工事が必要なため、近隣住民とトラブルになることがあります。また、太陽光発電が原因で火災が起こった際は、近隣の畑や田んぼに被害を及ぼすリスクもあります。
とくに中古の太陽光発電を購入する際は、前の持ち主と近隣の人間関係について確認しておく必要があります。前の持ち主と近隣の方との人間関係が悪いと、中古の太陽光発電を購入しても運用しづらいかもしれません。
太陽光発電は、設備の耐久性や費用の問題だけではありません。人間関係や災害などを想定して運用しなければならないため、太陽光発電の適切な運用方法を調べる必要があります。太陽光発電を運用する際は保険や補助金、制度などを理解することで上手く運用していけるかが変わります。

日本における太陽光発電の普及率

太陽光発電が普及しない理由をいくつか紹介しましたが、実際に日本の太陽光発電の普及率はどうでしょうか。日本における太陽光発電の普及率は2014年では1.9%でしたが、2020年では8.5%と増加しました。太陽光発電の普及率は、年々上昇しています。太陽光発電の普及率だけでなく、再生可能エネルギー全体の割合も増えています。
2014年の再生可能エネルギーの割合が12.1%であったのに対し、2020年の再生可能エネルギーの割合は20.8%と増加傾向にあります。環境問題や持続可能な社会の実現を目的に、自然可能エネルギーの需要が高まったと考えられます。
日本の太陽光発電の普及率は上昇していますが、海外と比べると大きな差があります。日本はまだまだ火力発電に頼っている現状があり、海外と比べると意識が低いといえます。次に、日本と世界の太陽光発電の普及率の違いについて確認しましょう。

日本と世界との普及率の違い

日本と世界を比べると、再生可能エネルギーの普及率は大きく異なります。日本の再生可能エネルギーの普及率は2020年で20.8%ですが、北欧のスウェーデンやデンマークでは80%以上の普及率を誇っています。火力発電に大きく頼る日本とは異なり、自然の力で電力を発電している国が世界には多くあります。
ここからは再生可能エネルギーではなく、太陽光発電だけでみた日本の普及率について解説します。日本は四季ごとに日照時間が異なるため太陽光発電には向いていないといわれていますが、太陽光発電の普及率は2022年で世界3位です。
日本の太陽光発電の普及率が増えた背景には、FIT制度の導入が挙げられます。FIT制度の導入により売電収入を目的とする投資家を後押しして、太陽光発電が急速に普及しました。また、2022年度のFIP制度の導入により、さらに太陽光発電の普及が期待されています。
他の再生可能エネルギーに比べ、太陽光発電は比較的取り入れやすくなっています。世界的にみても太陽光発電の需要は高まっており、日本でもさらに普及すると注目されています。太陽光発電の安価なモジュールも増えているため、新規参入もしやすい状況にあります。

太陽光発電の将来性は?今後普及すると言われる理由

太陽光発電は現在でも普及していますが、今後はさらに普及するでしょう。太陽光発電を運用するにあたっていくつかデメリットがありますが、問題点が改善されることで、新規参入者が増えると期待されています。太陽光発電のどのような点が期待されているかをいくつか解説します。

自治体による補助金制度の利用ができる

今後太陽光発電が普及するといわれる理由として、補助金制度の利用拡大が挙げられます。太陽光発電の初期費用の高額さが、これまでの参入障壁でした。太陽光発電を設置する際に補助金を利用できると導入コストを大幅に減らせるため、多くの方が太陽光発電に対して興味を示すでしょう。
太陽光発電の補助金制度は、地域により異なります。近年では、環境を守る取り組みがどの自治体でも積極的に行われているため、将来的にはさらに補助金制度が充実することが考えられます。
現在の補助金制度では、設置費用の10%~20%の補助金を負担してくれる地域があります。太陽光発電を導入する際は購入費用だけを確認するのではなく、どのような補助金を利用できるかを確認することが重要といえます。

電気代の高騰が見込まれている

電気代が高騰すると、太陽光発電の電気エネルギーの需要は高まります。太陽光発電のような自然エネルギーは、エネルギー資源に関してはコストを必要としません。一方、火力発電は燃料費がかかるため、今後は火力発電の運用コストが高くなることが想定されます。太陽光発電を設置すると、電気代が高騰しても自家発電で電力を使用できます。
一般住宅や企業など、多くの方が電気代の高騰対策を行っています。売電収入を目的に太陽光発電を導入する方もいますが、自家発電として利用すると電気代を大幅におさえられます。とくにテナントや工場などで電気代をたくさん使う企業の方には、太陽光発電で自家発電するとよいでしょう。

FIT制度で安定した売電が見込める

FIT制度は2012年に開始された制度であり、一定価格で電力を買い取ってもらう制度です。FIT制度は安定した売電が見込めるため、さらなる再生可能エネルギーの促進が期待されています。

そもそもFIT制度が導入された背景には、日本のエネルギー自給率の低さが挙げられます。世界各国と比べても、日本のエネルギー自給率は先進国のなかでも極めて低いです。FIT制度は、認定を受ける年により買取価格が決定します。一般住宅の10kW以下の太陽光発電では、2014年度は1kWあたり37円であるのに対し、2022年度は1kWあたり17円と価格が落ちています。

FIT制度である太陽光発電を運用すると高単価で売電収入を得られますが、FITの認定された年数により異なるため、中古の太陽光発電を購入する際は確認が重要です。

蓄電池と組み合わせることで備えに繋がる

日本は災害が多く、太陽光発電を運用すると災害が起きた際に活躍します。太陽光発電は蓄電池と組み合わせられるため、災害時には緊急用として電力を使用できます。災害時に断水や停電が起きると、生活に支障がでて安心して暮らせません。
単に太陽光発電を運用するだけでは発電した電力を充電できないため、蓄電池と太陽光発電を組み合わせておくと余った電力を蓄電池にためておけます。災害時だけでなく、生活に必要なときにも使用でき便利です。

環境への負担が少ない

太陽光発電は、自然エネルギーで発電するため環境への負担が少ないです。太陽光発電を設置する際の工事などは必要ですが、火力発電のように二酸化炭素を発生させないため環境に優しい発電といえます。
売電収入を得るだけでなく、近年では電気自動車の普及により各家庭での自家消費の需要が増しています。電気自動車は環境に優しく、今後ますます増えることが予想されることから太陽光発電の普及も期待されています。
太陽光発電を設置しておくと、電気自動車の充電にも使用できます。太陽光発電と電気自動車は相性がよいため、電気自動車を乗りたい方にもおすすめです。太陽光発電はメリット・デメリットがあり、住居用や産業用によってもFIT制度の期間が異なるため、使用用途を考えて導入を検討する必要があります。
太陽光発電のメリット・デメリットや、住居用と産業用の太陽光発電の違いについて知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。
【2024年版】太陽光発電のメリット・デメリット|住宅用と産業用の違いも紹介

まとめ | 太陽光発電を始めるなら土地付き太陽光発電がおすすめ

太陽光発電が普及しない理由や将来の需要について解説しました。太陽光発電は初期費用が高額なため、よい条件でないと新規参入は難しいです。補助金制度や収支シミュレーションを確認することで、安心して太陽光発電を設置できるといえます。
今後は電気代の高騰や再生可能エネルギーが注目されていることから、ますます太陽光発電が普及していくでしょう。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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