風力発電のメリット・デメリットとは?仕組みや種類も合わせて解説!

風力発電のメリット・デメリットとは?仕組みや種類も合わせて解説!

「風力発電のメリット・デメリットって何?」「風力発電の仕組みについて知りたい」などの疑問がある方もいるのではないでしょうか?

この記事では、風力発電の仕組みやメリット・デメリット、種類などについて解説しています。風力発電について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

風力発電の仕組み

風力発電は、風の力を使ってプロペラを回転させ、電気を発生させる方法です。

具体的には、風車のプロペラが風を受けて回転すると、そのエネルギーは内部にある増速装置を介して増幅されます。このエネルギーは、電気誘導という現象を利用して、発電機によって電気に変換される仕組みです。

発電された電力は、効率的に送電するために変圧器を使って電圧を上げ、送電線を通じて供給されます。

風力発電の種類

風力発電は大きく分けて以下の2種類があります。

  • 陸上風力発電
  • 洋上風力発電

それぞれの特徴について見ていきましょう。

陸上風力発電

陸上風力発電は、陸上に設置された風力発電を指します。洋上風力発電に比べて、設置や管理にかかるコストが低いのが特徴です。

ただし、陸上風力発電を効果的に活用するには、風速が一定以上(年間平均風速6m/s以上が目安)があり、騒音問題を引き起こしにくい場所を選ばなければなりません。そのため、設置場所が限られているのが難点です。

洋上風力発電

洋上風力発電は、海洋上に設置された風力発電を指します。海洋上は風が強く、風速が一定なことから、発電効率が高いのが特徴です。

一方で、設置や管理にかかるコストが高い、海洋生態系への影響を考慮しなければならないなどの問題があります。

風力発電のメリット

風力発電のメリットは以下の4つです。

  • 再生可能エネルギーである
  • 温室効果ガスを排出しない
  • エネルギーの変換効率が高い
  • 運用コストが安い

それぞれのメリットについて解説していきます。

再生可能エネルギーである

風力発電は風の力を利用して発電する再生可能エネルギーです。そのため、エネルギーが枯渇することがなく、半永久的に利用できます。

日本の主なエネルギー源である化石燃料は有限であり、例えば石油は約50年ほどで枯渇するとされています。エネルギー枯渇の問題は世界的な課題となっていますが、風力発電をはじめとした再生可能エネルギーの割合が高まれば、解決策の一つとなるでしょう。

温室効果ガスを排出しない

風力発電は燃料を燃やさないため、発電時に温室効果ガスを排出しないこともメリットです。

世界では地球温暖化問題を解決するために、カーボンニュートラルの実現を目指しています。このような状況下で、温室効果ガスを排出しない風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーは、大きな注目を集めています。

運用コストが低い

風力発電は、他の再生可能エネルギーと比べて、運用コストが低いこともメリットに挙げられます。発電するためのエネルギー源である風はコストがかからず、夜間であっても発電可能であるからです。

大規模な風力発電の施設であれば、火力発電と同等の運用コストにできるともいわれています。

風力発電のデメリット

一方で、風力発電のデメリットは以下の3つです。

  • 初期費用やメンテナンス費用が高い
  • 設置場所が限られている
  • 騒音に注意が必要である

それぞれ具体的に説明していきます。

初期費用やメンテナンス費用が高い

風力発電は、初期費用やメンテナンス費用が高いことがデメリットです。具体的には、20kW未満の小型風力発電設備の場合、初期費用は1kWあたり20〜30万円とされています。一方で太陽光発電の初期費用は1kWあたり20万円前後であるため、風力発電の方が高額です。

さらに、風力発電は風によって故障してしまうケースが多く、修理費用がかかる恐れがあります。

設置場所が限られている

風力発電は設置場所が限られていることもデメリットとして挙げられます。発電効率を高めるためには、一定の風速がある場所に設置しなければなりません。

ただし、風速が強いと発電できないため、風力発電の土地選びは難しいといわれています。

騒音に注意が必要である

風力発電はブレードが回転すると、風を切る音や機械音が発生します。人によっては耳障りな音であると感じられるため、騒音には注意しなければなりません。

現在音が発生しにくい風力発電の開発が進められていますが、騒音トラブルを起こさないためには、周辺住民がいない土地に設置することが推奨されています。

日本の風力発電の現状

日本において、全発電量に占める風力発電の割合は1%未満であり、導入はあまり進んでいない状況です。その要因として、導入費用が高いこと、設置できる場所が限られていることなどが挙げられます。

しかし、再生可能エネルギーを普及させるためには、風力発電も増やしていかなければなりません。政府としても、2030年までに風力発電の割合を5%に高めることを掲げています。

そのため、風力発電を設置するための制度を整備したり、導入費用の負担を軽減したりすることが政府主体で進められているのです。

まとめ

この記事では、風力発電の仕組みや種類、メリット・デメリットなどを解説しました。

風力発電は温室効果ガスを排出しない発電方法であり、他の再生可能エネルギーと比べて運用コストが低いことがメリットです。一方で、初期費用やメンテナンス費用が高いデメリットがありますが、補助金や助成金などが充実すれば解決できる可能性があります。

風力発電の普及率を高めて、脱炭素社会の実現を目指していきましょう。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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