太陽光発電所の保険|加入するメリットや保険の種類、費用相場を紹介

太陽光発電所の保険|加入するメリットや保険の種類、費用相場を紹介

近年は大規模自然災害の発生が増え、それに伴い太陽光発電所の事故も増えています。このような事態に備えるためには、メーカー保証だけで十分なのでしょうか?

本記事では、太陽光発電所の保険に加入するメリットや保険の種類、費用相場を紹介していきます。本記事を参考にして、自然災害による太陽光発電の事故に備えてくださいね。

目次

太陽光発電所の事故件数

経済産業省のデータによると、太陽光発電所の事故件数は年々増えている状況です。2013年は2件のみでしたが、2020年は235件と急増していることが分かります。並行して事故の発生率も上昇しているため、太陽光発電所が増えていることが原因ではないでしょう。

太陽光発電所の事故件数・発生率ともに上昇している原因は、大規模自然災害の急増です。台風や豪雨、地震などの自然災害がここ数年増えており、それに伴って太陽光発電所の事故件数も増えているのです。

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太陽光発電所の被害事例

では具体的に、自然災害によってどのような被害が発生しているのでしょうか?経済産業省の資料を参考にして、被害・事故事例を2つ紹介していきます。

事例1. 豪雨による事故

平成30年、兵庫県で豪雨による太陽光発電所の事故が発生しました。集中豪雨によって発電所構内で土砂崩れが起き、太陽光パネルとパワーコンディショナーが崩落する事故に。太陽光パネルの約半数、パワーコンディショナーの大半が破損する事態となりました。

事例2. 台風による事故

同じく平成30年に起きた事故です。台風が発生し、大阪府の沿岸部に非常に強い風を伴って接近しました。その結果、沿岸付近に設置されていた太陽光パネルの約半数が架台から引きちぎられ、⾶散する事象が発生。また、飛散した太陽光パネルから発火する事態となりました。

太陽光発電所の保険とは

太陽光発電所の保険は、メーカー保証と適用範囲が異なります。メーカー保証とは、機器に不具合が起きた際に適用される保証です。突然不具合が生じたり、経年劣化によって機器が故障した場合に適用されます。

自然災害など外部からの被害によって太陽光発電が故障してしまった場合、メーカー保証は適用されません。自然災害による事故のリスクを回避するためには、太陽光発電所関連の保険に加入をする必要があります。

太陽光発電所の保険にはいくつかの種類がありますが、いずれも基本的には自然災害に備えることができる保険です。メーカー保証と太陽光発電所の保険に加入することで、あらゆるリスクに備えることが可能です。

太陽光発電所の運用にあたり保険に加入するメリット

太陽光発電所の運用をする上で、保険に加入するメリットは何があるのでしょうか?ここでは、具体的に2つ紹介していきます。

メーカー保証が適用範囲外の補償を受けることができる

太陽光発電所の保険に加入することによって、メーカー保証が適用対象外の保証を受けることができます。自然災害による故障や、自然災害による破損によって第三者へ危害を与えてしまった場合などは、メーカー保証の適用外なのです。

近年増えている大規模自然災害。このリスクに備えるためには、メーカー保証では不十分です。太陽光発電所の保険に加入することによって、補償を受けることができます。

万が一事故が起きた際、自己負担金を大幅に抑えることができる

自己負担金を大幅に抑えることができるのもメリットの一つです。例えば、所有している太陽光発電所が自然災害によって第三者に危害を与えてしまった場合、多額の賠償金を請求される可能性があります。

このような事態が発生してしまった際、太陽光発電所の保険に加入していないと、かなりの額の負担金を支払うことになってしまうでしょう。太陽光発電所の保険に加入しておくと補償の対象になり、自己負担金を大幅に抑えることができます。

太陽光発電所に関する保険の種類

では具体的に太陽光発電所に関する保険には、どのような種類があるのでしょうか?それぞれ保証内容やメリット、加入条件・方法などについて紹介していきます。

火災保険

火災保険は、火災や自然災害などで損害を受けた場合に適用される保険です。普通火災保険、動産総合保険などに加入すると、この補償内容が該当します。火災保険に加入することによって、あらゆる自然災害(地震以外)による被害に備えることができます。

地震保険

地震保険は、地震によって損害を受けた場合に適用される保険です。地震保険は、火災保険とセットで加入しなければなりません。近年地震の発生頻度は増えています。発生頻度が高い地域で太陽光発電所を所有している場合は、加入しておくことをおすすめします。

施設所有者賠償責任保険

自然災害などの影響で、第三者に被害を与えてしまった場合に適用される保険です。例えば、台風によって太陽光パネルが飛んでしまい、近隣住民の民家を破損してしまった場合などが挙げられます。

加入の条件は特になく、火災保険とセットになっている場合があります。近隣に住居があったり、人通りが多い道に面している場合は、加入をしておくと安心です。

休業損害補償

休業損害補償は、太陽光発電所が自然災害などの影響で故障している間の損失を補ってくれる保険です。故障だけではなく、出力抑制に対しても保証してくれるものもあります。

発電量が多く売電収入が高い場合、停止中の損失は高額になってしまいます。そのような場合は加入をしておくといいでしょう。

太陽光発電所の保険料金の相場

次に、太陽光発電所の保険料の相場について種類別に紹介していきます。火災保険は、家庭用太陽光発電だと、一般住宅用の火災保険を適用することができます。費用相場は、10年間で約15万円程です。

地震保険は、火災保険料の30〜50%の範囲で設定されます。年間平均約6,000〜12,000円です。施設所有者賠償責任保険は年間約5,000円が相場、休業損害補償は年間約7,000円(48kWの場合)が相場です。

太陽光発電所に関する保険の取り扱い会社

太陽光発電所に関する保険は、主に以下の保険会社で取り扱いされています。保険会社によって補償内容が異なるため、複数の保険を比較検討することをおすすめします。

  • 三井住友海上
  • 東京海上日動
  • 損保ジャパン日本興亜
  • あいおいニッセイ同和損保

まとめ

本記事では、太陽光発電所の保険について紹介しました。太陽光発電所の保険に加入することによって、主に大規模自然災害の損害を最小限にすることができます。メーカー保証と太陽光発電所の保険の双方に加入することによって、あらゆる事態に備えることができるのです。

保険の補償内容や金額は保険会社によって異なるので、複数の保険を比較検討することをおすすめします。震災などの自然災害が増えてきている今、備えあれば憂いなしです。

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