太陽光発電のトラブル5つを紹介!事前に防ぐためのポイントも解説

太陽光発電施設の運用は、数々の問題やリスクを伴います。これらのトラブルを未然に防ぐための適切な対処法への理解は、安全で効率的な運用を実現するために不可欠です。しかし、事前にどのようなトラブルが起きるのかを理解しなければ、適切な処置は施せません。

そこで今回の記事では、太陽光発電で起こりうる主なトラブルを解説します。今回説明する情報を活用すると太陽光発電設備の運用がスムーズに行われ、トラブルを最小限に抑えられるでしょう。ぜひ、本記事を太陽光発電の運用ガイドとしてご活用ください。

目次

ケース1:太陽光発電設備に関するトラブル

太陽光発電システムには、さまざまな種類のトラブルが潜んでいます。パネルの破損やパワーコンディショナーの故障など、設備関連に関するトラブルも多く発生しています。設備関連のトラブルは設備の寿命を縮小させるだけでなく、発電効率を低下させる恐れもあるため看過できません。ここでは、太陽光発電設備に関するトラブルを紹介します。

パネルの破損

太陽光発電設備でよく起こるトラブルは、太陽光パネルの破損です。太陽光パネルの破損の多くは、設置業者による手抜き工事が原因です。例をあげると、業者がパネルや防水部分を不適切に取り扱い、傷つけてしまうことで雨漏りが発生しやすい状況が生み出されます。

こうした問題は、実績豊富な業者や顧客満足度の高い業者に依頼することで、トラブルに巻き込まれるリスクも大幅に減少します。したがって、施工依頼する際は業者の実績を確認し、信頼できる業者かどうかの見極めが重要になります。

パワーコンディショナーの発火

パワーコンディショナーの発火は、太陽光発電システムの運用時に避けるべき重大な問題です。発火の主な要因としては、経年劣化やフィルターの目詰まりが原因です。そのため、パワーコンディショナーの管理とメンテナンスは、太陽光発電システムの運用において重要な作業といえます。

通常、パワーコンディショナーは約10年で寿命を迎えることから、10年を目途に交換を考える必要があります。しかし、定期的なメンテナンスが行われていない場合は10年を待たずして故障が発生するかもしれません。

したがって、安全で効率よく太陽光発電システムの運用をしていくには、パワーコンディショナーをコンスタントにメンテナンスすることと、必要に応じた交換が大切です。

劣化による発電量の減少

太陽光発電システムは精密機器が数多く使われていますが、どれも時間の経過とともに劣化します。劣化によって発電所全体の性能が落ちると、最終的には発電量が大幅に低下してしまいます。

また、日本の気候は他国と比較して変化が激しく、太陽光発電設備の劣化を早めています。たとえば、梅雨時の長雨や台風の強風、猛暑、降雪などの自然環境は設備に大きな負担をかける要因です。

太陽光発電システムを効率的に運用するためにも、設備の管理や保全、維持、そして劣化による性能低下に備えた適切な対策が欠かせない作業といえます。

メンテナンス不備による故障

太陽光発電システムは、定期的なメンテナンスが必要な機器です。点検をせずにいると、発電量への影響だけでなく、故障や事故が発生する危険性が高まります。

遠隔監視を行うなどし、不具合が起きた際には早急に対応をすることで未然にトラブルを防ぐことが可能です。

ケース2:自然災害、環境によるトラブル

自然災害や環境の変化は、太陽光発電システムの稼働に影響を与える可能性があります。台風や土砂崩れ、地震、さらには動物や植物によるトラブルはシステムの運用を脅かす存在です。ここでは、自然災害や環境によるトラブル事例を紹介します。

台風、土砂崩れによる故障、崩壊

日本は、自然災害が頻発する国として知られています。台風や土砂崩れは毎年多くの地域で発生しているため、自然災害を身近に感じる人も多いのではないでしょうか。

こうした自然災害の影響で、発電設備が浸水や破損すると発電機器は正常に動作しません。しかし、太陽光発電設備の場合は故障していても光が当たれば発電するため、故障した設備に無理に近づくと感電のリスクがあります。したがって、自然災害が発生した際はまず、周囲と発電機器の安全確認が重要です。機器の見た目に損傷がなくても、内部で故障している可能性があるため、専門家による点検をおすすめします。

地震による売電機会の損失

日本は世界でも地震が多い国としても知られており、太陽光発電設備における地震対策は重要な問題です。地震によって発電機器が故障してしまうと、機器の修理だけでなく売電する機会も失う可能性もあります。

売電する機会が失われると、当然ながら太陽光発電設備の保有者としては大きな痛手となり、設備の投資回収や運用に直接影響を及ぼします。そのため、地震大国である日本で太陽光発電の運用をするには、地震への対策や定期的なメンテナンス、地震発生後の迅速な対応が不可欠といえます。

動物や植物による回線のショート

都心では太陽光発電設備のスペース確保が困難なため、広大な土地を持つ郊外での建設が一般的です。しかし、郊外の広大な土地と自然環境はメリットがある一方で、野生動物や植物によるトラブルを考えなければなりません。

予防策としてフェンスなどの設置をしても、野生動物や植物の侵入を完全に防ぐのは難しく、現在でも多くのトラブルが報告されています。具体的な被害としては、動物がケーブルをかじる、ケーブルへの接触した、植物の成長によりケーブルが圧迫された、などさまざまです。

また、地球温暖化による自然環境の変化で以前は目撃されなかった熊などの大型動物も出現しています。これらの動物が太陽光発電設備に近づくと、設備の破壊や人が襲われるといった危険性が高まります。したがって、太陽光発電設備を運用する際は、動物が嫌がるような装置を設置するほか、日々目視で太陽光パネルの状態をチェックするなどの対策が重要です。

ケース3:近隣とのトラブル

太陽光発電の運用において、近隣とのトラブルも軽視できない問題です。騒音や光の問題、降雪による問題など、近隣住民と争論になるケースも多々あります。ここでは、近隣住民との具体的なトラブルのケースを紹介します。

騒音や光の問題

太陽光パネルは光を反射する性質があるため、周囲の人々の目にまぶしいと感じられることがあります。これは、パネルの設置位置や角度が適切でない場合によく起こる現象です。このような問題を未然に防ぐために、パネルの反射光の角度や反射加減を時間帯別にリサーチし、光の問題を事前に防ぐ対策を行う優良な業者も存在します。

次に、近隣住民とのトラブルで多くあげられるのが「騒音問題」です。太陽光発電の運用には「パワーコンディショナー」という機器が必要で、動作音が騒音トラブルの要因となり得ます。パワーコンディショナーの音は、エアコンの室外機と同じくらいの音ですが、住宅地などとの距離が近かった場合は大きなトラブルに発展するかもしれません。

そのため、太陽光発電機器の施工前に業者と協議し、適切な設置位置や角度を検討し、機器の選定を入念に行いましょう。

積雪の問題

太陽光発電設備にとって、冬の積雪は大きな問題です。パネルに積もった雪は昼間の温度上昇により落下する可能性があり、重大な事故につながるためです。

具体例として、散歩中の人や通行中の車、自転車がパネルから落ちてきた雪の下敷きになる事故が想定されます。これらの事故は、人々の生命を脅かすだけでなく、発電所の運営者として賠償責任を問われる可能性があるため、軽視できない問題です。

したがって、雪国や寒冷地で太陽光発電システムを設置・運用する場合は、積雪による事故を想定した対策が必要不可欠といえるでしょう。

ケース4:業者とのトラブル

太陽光発電の運用で発生しやすいのが、業者とのトラブルです。工事のミスからアフターサービスの不備まで、トラブルの種類も多岐にわたります。以下では、業者との具体的なトラブル事例を紹介します。

施工のミス

太陽光発電設備の運用には大きな投資が必要であり、投資回収ができるか否かは業者の施工の質に左右されます。なぜなら、悪質な業者が施工を手掛けた場合、予想以下の発電量しか得られない、または設置工事の不備で雨漏りが発生するなど、多くのトラブルが生じる可能性があるためです。

例を挙げると、業者がパネルの設置角度を誤ると想定される発電量が達成できず、投資回収に必要な期間が延びてしまう可能性があります。また、業者が防水処理を適切に行わなかった場合、雨漏りが発生して莫大な修理費用が発生する可能性もあります。

業者の施工ミスは、太陽光発電設備の運用に深刻な影響を及ぼすこともあるため、信頼できる業者の選定が何よりも重要です。

契約内容が守られていない

施工業者とのトラブルは、「契約内容」に関するケースも多々発生しています。「口約束だから記憶がない」「そのような約束はしていない」といった業者の反論で、契約自体を否定されてしまうケースです。

たとえば、業者が発電量や設備の寿命などを過大に説明し、契約成立後に「そのような説明はしていない」と説明内容を否定するかもしれません。また、業者との契約解除を求めた場合、「今までの作業料や発注料金を請求する」といった理由でキャンセルを阻止されるケースも存在します。

これらの事例からも分かるとおり、契約内容が守られないといったトラブルは、太陽光発電設備の運用者にとって大きな問題です。そのため、契約書を取り交わす前に不明な点は事前に業者に確認しましょう。

法外な契約金の請求

太陽光発電設備に関するトラブルとして、業者からの法外な契約金の請求が挙げられます。相場価格と比較して過剰な契約金を請求され、購入者が返済に追われるケースです。高額な契約自体は違法ではありませんが、購入者の立場からすると投資の意義自体がなくなってしまいます。

こうした法外な契約金の請求に遭遇しないためにも、事前に契約内容をよく確認し、問題がないと判断したうえで契約をしましょう。

悪質な訪問販売

太陽光発電におけるトラブルで、多く挙げられるのが「訪問販売」です。訪問販売は営業担当者が直接顧客に説明したうえで契約を結ぶ形態で、合法的な営業手法です。しかし、訪問販売は悪質な業者も数多くいるのが現実です。

悪質な訪問販売の多くが、相場価格よりも高く販売されるケースです。相場価格よりも高値で売りつける理由は、人件費や広告費、会社の利益が価格に上乗せされるためです。つまり、顧客が支払う代金のなかには、商品価格以外の部分が含まれている可能性があると考えられます。

また、商品のメリットばかりを強調し、デメリットやリスクについては触れない営業担当者も多く存在します。こうした一辺倒な説明では、顧客は十分な情報を得られず、偏った認識のもとで契約を結んでしまうおそれがあります。

こうした悪質な訪問販売から身を守るには、すぐに契約を結ばないことです。営業担当者から説明された情報を整理し、第三者に相談することをおすすめします。

ケース5:補助金に関するトラブル

太陽光発電設備を導入する際、補助金に関連するトラブルも多く発生しています。具体的には、契約時に施工業者から「補助金の対象」と説明されていたにも関わらず、工事完了後に補助金の対象外だったと告げられるケースです。

補助金が対象外となる理由は主に2点です。

  • 補助金申請前に工事を着工してしまい申請が受理されなかった
  • 申請した期日までに工事が完了しなかった

補助金を受け取れるか否かは、投資回収を考えるうえで重要なポイントです。そのため、補助金のトラブルを回避するには、施工実績が豊富な優良業者の選定が大切です。

太陽光発電によるトラブルを防ぐためのポイント

太陽光発電設備を適正に運用するには、正しい知識と対策が重要です。ここでは、太陽光発電によるトラブルを防ぐためのポイントを紹介します。

保証やアフターフォローが充実している業者を選ぶ

太陽光発電設備のトラブルを防ぐ有効な方法は、保証やアフターフォローが充実している業者を選ぶことです。顧客に対するサービスが充実している業者は、顧客ニーズに対する理解が深く、問題発生時の対応が迅速なためです。

保証やアフターフォローが充実している業者を選ぶには、利用者の口コミをチェックすることが有効です。口コミは、実際にその業者のサービスを利用した人の生の声を反映しており、施工業者のサービス品質を評価するうえで有用な情報源といえます。

以上のことから、保証などがきちんと整っている業者を選ぶことは、太陽光発電設備のトラブルを防ぐ重要なポイントです。

業者の取引実績を確認する

太陽光発電設備の施工実績が豊富な業者は、太陽光パネルの設置や反射角度など、素人目には理解が難しい細かな問題にも、真摯に対応してくれる可能性が高いです。取引業者が数多くの施工実績を持っている場合は、長年の経験に基づいた工事が可能になるため、発電効率を最大化できます。

また、取引実績が豊富な業者は、補助金の申請に関する手続きもスムーズに進められる点も大きなメリットです。補助金申請の手続きは複雑なため、経験豊富な業者に依頼することで、スムーズに補助金を受け取れます。このように、取引業者の取引実績は太陽光発電設備のトラブルを防ぐ重要なポイントといえます。

メンテナンスは定期的におこなう

太陽光発電設備は雨や風、雪などの外部環境の影響を直接受けてしまうため、設備の破損や故障の可能性があります。そこで、定期的なメンテナンスを実施することで、早期にトラブルを察知し、適切な対応が可能になります。

また、定期的なメンテナンスをおこなうことで設備の寿命を延ばせます。太陽光発電設備は大きな投資が必要なため、設備の寿命を最大限に延ばすことは、投資回収にとって重要なポイントです。

メンテナンスを実施するときは、費用がどの程度かかるかを事前に理解しておくことも重要です。メンテナンス費用が予想以上に高いと、投資回収に大きく影響します。したがって、業者に工事を依頼する前にメンテナンス費用を確認しておくとよいでしょう。

発電量を定期的に確認する

太陽光発電設備でトラブルを回避するには、発電量の定期的な確認も重要です。発電量を確認することで、機器の異常や故障を早期に発見できるからです。たとえば、発電量が予期せぬ減少をみせた場合は、パネルの損傷や汚れ、接続部分の問題などが考えられます。

そのため、発電量を定期的にチェックし、詳細な記録を残すことが有効です。もしも、異常が見つかった場合はすぐに専門業者に連絡をとり、設備の点検や修理を依頼しましょう。

まとめ

本記事では、太陽光発電の運用におけるトラブルについて紹介しました。記事内では、地震や動物、植物による被害から補助金に関する問題まで、多岐にわたるトラブルを防ぐ対策についても解説しています。太陽光発電設備の適切な運用と長期的な投資回収には、メンテナンスや発電量の確認、信頼性のある業者の選択することが大切です。太陽光発電の運用を検討中の方は、今回の内容を参考にしていただければ幸いです。

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