太陽光発電の導入時に検討しなければならないのが、太陽光発電の保険です。保険に加入しておけば、台風や地震によって太陽光発電所が故障した場合の損害をカバーしてもらえます。
ところで、太陽光発電の保険料の相場はどのくらいなのでしょうか?この記事では、太陽光発電の保険料の相場を種類別に紹介していきます。また、近年値上げされましたが、その背景も解説します。
これから太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電の保険料の相場はどのくらい?
太陽光発電の保険には、以下の4種類があります。
- 火災保険
- 地震保険
- 施設賠償責任保険
- 休業損害保険
全ての保険に加入した場合、太陽光発電の保険料の相場は初期費用の約5.5%となります。内訳は下記の通りです。
項目 | 保険料の相場 | 初期費用2,000万円とした場合の保険料の相場 |
火災保険 | 初期費用の約3% | 約60万円 |
地震保険 | 初期費用の約1% | 約20万円 |
施設賠償責任保険 | 初期費用の約0.5% | 約10万円 |
休業損害保険 | 初期費用の約1% | 約20万円 |
合計 | 初期費用の約5.5% | 約110万円 |
ただし、保険料の相場は目安なので、具体的な金額は損害保険会社に確認するようにしましょう。また、太陽光発電の規模や設置地域によっては、加入が特段必要ではない保険もあります。
以下では、それぞれの保険の内容や費用相場について紹介していきます。
火災保険
火災保険とは、自然災害や落下物、盗難などによる損害を補償する保険です。火災保険といっても、主に以下の3種類があります。
- 普通火災保険
- 動産総合保険
- 企業向け包括保険
太陽光発電の保険として考えると、この3種類の保険に大きな差はありません。具体的な補償内容を確認する場合は、各保険会社に確認しましょう。
火災保険の1年間の費用相場は、一般的に初期費用の2.5〜3.5%です。例えば、初期費用が2,000万円の場合、火災保険の相場は50〜70万円ということになります。他の保険と比べて、保険料の相場は高い傾向にあります。
地震保険
地震保険とは、地震や津波などによる損害を補償する保険です。火災保険は地震以外の自然災害に対応しており、地震による損害をカバーするためには別途地震保険に加入しなければなりません。
地震保険の相場は保険会社によっても異なりますが、初期費用の約1%とされています。つまり、初期費用が2,000万円の場合は20万円です。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険とは、自然災害などの影響で太陽光発電が第三者に損害を与えた場合、その損害をカバーしてくれる保険です。太陽光発電所の周辺に住宅などが多い場合には、加入しておくと安心でしょう。
施設賠償責任保険の相場は、初期費用の約0.5%とされています。初期費用が2,000万円の場合は、約10万円です。
休業損害保険
休業損害保険とは、太陽光発電が故障して売電ができなくなった期間の損害を補償する保険です。特にメガソーラーは休業中の損害が大きいため、加入しておくことをおすすめします。
休業損害保険の相場は、初期費用の約1%です。初期費用が2,000万円の場合は10万円ほどの費用がかかります。
太陽光発電の保険料の相場は値上げされた?
実は、太陽光発電の保険料の相場は値上がりしています。損保各社は、2022年10月に企業向け包括保険や動産総合保険などを、一斉に3割ほど値上げしました。
保険料値上げの背景には、自然災害の増加があります。土砂崩れや洪水による浸水、積雪による太陽光発電所の倒壊などが相次ぎ、恒常的な赤字の状態でした。そのため、保険料の値上げに踏み切ったようです。
ただし、値上げの原因が自然災害の増加であり、自然災害によるリスクは高まっていることがわかります。そのため、値上げしているから加入しないのではなく、所有している太陽光発電のリスクを加味して検討することが大切です。
太陽光発電の保険を取り扱っている企業
太陽光発電の保険は、主に以下4つの企業が取り扱っています。
- 東京海上日動火災保険
- 損保ジャパン日本興亜
- 三井住友海上
- あいおいニッセイ同和損保
いずれの企業も、太陽光発電は今後さらなる普及が見込まれているため、さまざまな保険商品を販売しています。所有している太陽光発電に必要な保険を見極めて、適切な保険商品を選ぶようにしましょう。
まとめ
この記事では、太陽光発電の保険料の相場や値上げの背景について解説しました。
太陽光発電の保険には主に4種類あり、それぞれ相場が異なります。太陽光発電の規模や立地によっては特別必要ではない保険もあるため、必要な保険を見極めて加入することがポイントです。
この記事で紹介した保険料の相場を参考にして、太陽光発電の保険選びをしてみてくださいね。