原子力発電のメリット・デメリット|仕組みについてもわかりやすく解説

原子力発電のメリット・デメリット|仕組みについてもわかりやすく解説

「原子力発電ってどんな仕組み?」「原子力発電のメリット・デメリットを知りたい」

ニュースなどでも耳にすることが多い原子力発電ですが、このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

この記事では、原子力発電の仕組みやメリット・デメリット、日本と世界における原子力発電の現状についてわかりやすく解説していきます。原子力発電について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

原子力発電とは?

原子力発電とは、原子核の分裂によって生じる熱エネルギーを利用して電気を発電する方法です。世界中で、約50年ほど前から活用されています。

原子力発電の特徴は、CO2を排出しないこと、大量の電力を安定して供給できることです。一方で、発電時に放出される放射線の問題から、原子力発電には賛否両論があります。

原子力発電の仕組み

原子力発電は、まず原子炉内にある水でウランやプルトニウムの核分裂を起こし、その際に発生する熱を利用して蒸気を発生させます。この蒸気は、主蒸気配管を通じてタービンに送られてタービンを回転させます。タービンは発電機に直結しており、この回転によって電気が作られる仕組みです。

タービンを通過した後の蒸気は、復水器で冷やされて水に戻ります。この水は給水ポンプによって再び原子炉へ送り返され、再び蒸気を発生させるサイクルを繰り返します。

原子力発電のメリット

原子力発電のメリットは、主に次の4つです。

  • 安定したエネルギー供給ができる
  • 燃料を確保しやすい
  • 少しの燃料で大きなエネルギーを生み出せる
  • 二酸化炭素を排出しない

それぞれのメリットについて説明していきます。

安定したエネルギー供給ができる

原子力発電のメリットは、安定してエネルギー供給ができる点です。天候や昼夜に左右されず、一定の出力で安定して発電することができます。

電気は貯蓄することが難しいため、常に需要と供給のバランスを保たなければなりません。しかし、太陽光発電や風力発電であれば、発電量は天候などに影響されてしまいます。そのため、安定してエネルギーを供給できる原子力発電は、日常生活を送る上で大きな役割を果たしてくれるでしょう。

燃料を確保しやすい

原子力発電の燃料であるウランは、オーストラリアやカナダなど、比較的政情の安定している国から輸入されています。石油などの化石燃料と比べて、燃料を確保しやすいこともメリットの一つです。

また、使い終わった燃料は再処理することで、再び燃料として使用できます。つまり、準国産のエネルギー資源となってくれるのです。

少しの燃料で大きなエネルギーを生み出せる

ウランは少量で大きなエネルギーを生み出せます。発電コストに占める燃料費の割合は、火力発電と比べると低いです。仮に燃料費が高騰したとしても、発電コストの上昇を避けられます。

消費者からしても、電気料金が安定していることは大きなメリットといえるでしょう。

CO2を排出しない

原子力発電は、発電時にCO2を排出しません。また、発電時だけではなく、燃料の採掘や発電所の建設などのライフサイクルを加味したCO2排出量に関しても、かなり低い数値となっています。

そのため、太陽光発電や風力発電のように、地球温暖化対策の手段の一つとして期待されています。

原子力発電のデメリット

CO2を排出せず、安定的に供給できる原子力発電ですが、一方でデメリットもあります。ここでは、2つのデメリットを紹介していきます。

事故が発生したときのリスクが大きい

原子力発電所は、大量の放射性物質を内包しています。万が一事故が発生して放射性物質が漏洩すると、周辺の人々の健康や環境に甚大な被害を与える可能性があります。

また、放射線に汚染された地域の除染作業は容易ではなく、リスクが非常に大きいです。

使用済み燃料の処理方法が確立されていない

ウランは原子炉内で4〜5年間ほど利用できますが、その後は使用済み燃料となります。使用済み燃料は、まずプルトニウムを取り出し、再利用できない廃液を固体化します。この固体化された廃液には高レベルの放射性物質が含まれており、安全なレベルになるまでには、数万〜数十万年の歳月が必要です。

現時点では、使用済み燃料の最終処分方法は確立されておらず、青森県六ケ所村の再処理工場で保管されています。30〜50年後に地下深くに埋める「地層処分」を予定していますが、処分を受け入れる自治体がなければ、使用済み燃料の処理ができない恐れがあるでしょう。

世界の原子力発電の状況

世界では、多くの国が原子力発電を導入しています。原子力発電所の基数が多い国は、以下の通りです。中でもフランスは、国内の電力の約70%以上が原子力発電によって供給されています。

  • アメリカ:94基
  • フランス:56基
  • 中国:48基
  • 日本:33基

直近の世界の動向としては、脱原発を目指す国が増えています。例えば、ドイツは2023年4月に全ての原発の稼働を停止し、脱原発を達成しました。また、韓国も2017年に脱原発の方針を打ち出し、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及に乗り出しています。

一方アジアや中東などでは、増大する電力需要を賄うために、原子力発電を活用しようとする動きがあります。世界各国のエネルギー需要や経済状況などによって、異なるエネルギー政策をとっていることがわかるでしょう。

日本の原子力発電の状況

日本の原子力発電は、2011年の東電福島第一原発事故によって、一度全ての原子力発電所の稼働が停止されました。以降、原子力規制委員会が厳正な審査を実施し、2024年1月24日時点では12基の原子炉が再稼働しています。しかし、発電電力量に占める原子力発電の比率は、事故前と比べて大きく低下しており、火力発電の割合が高まっている状態です。

政府が公表した「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」によると、電源構成に占める原子力発電の割合は、20〜22%になるとされています。火力発電への依存を脱却するためには、再生可能エネルギーが重要になってくるでしょう。

まとめ

この記事では、原子力発電の仕組みやメリット・デメリット、世界と日本における原子力発電の現状について紹介しました。

原子力発電は安定して供給できる、CO2を排出しないなどのメリットがある一方で、事故のリスクが大きいなどの簡単には解決できないデメリットがあります。

世界や日本の動向を把握して、原子力発電について理解を深めていきましょう。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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