太陽光発電と風力発電は、どちらも環境に優しい投資として注目されています。日本でよく見かけるのは、太陽光発電でしょう。では一体、どちらを選択するといいのでしょうか?
当記事では、太陽光発電と風力発電のメリット・デメリットを比較していきます。再生可能エネルギーに興味のある方、投資に興味のある方は、ご一読ください。
太陽光発電と風力発電の違い
太陽光発電と風力発電は、それぞれ異なるエネルギー源を利用して電力を生成する再生可能エネルギー技術です。それぞれの発電方法における違いから紹介していきます。
太陽光発電とは
太陽光発電は、太陽光を利用して電力を生成する再生可能エネルギー技術です。具体的には、太陽電池(ソーラーパネル)を使用して、太陽光を電気エネルギーに変換する仕組みです。
太陽電池は、シリコンなどの半導体材料で作られています。太陽光が太陽電池に当たると、光の粒子が半導体材料の電子を励起(れいき)させます。この励起された電子が移動することで、電流が発生し、電気エネルギーが生成されるのです。
風力発電とは
風力発電は、風の力を利用して電力を生成する再生可能エネルギー技術です。具体的には、風力タービンと呼ばれる装置を使用して、風の力を機械的エネルギーに変換し、さらに電気エネルギーに変換する仕組みです。
風力タービンは風車のような形状をしており、そのタービンが風によって回転します。風が吹くと風力タービンが回転し、これによりタービン内部の軸が動きます。この軸は、タービン内の発電機に接続されており、回転することで発電機が作動し、電気エネルギーが生成されるのです。
太陽光発電のメリット
太陽光発電のメリットは、以下の3点です。
- 風力発電に比べて初期費用が安い
- 設置できる場所が多い
- 騒音が少ない
それぞれ解説していきましょう。
風力発電に比べて初期費用が安い
太陽光発電は、風力発電と比べて初期費用が安いというメリットがあります。経済産業省の調査によると、5kWの太陽光発電システムの設置費用の相場は137.5万円であり、1kWに換算すると27.5万円/kWです。
これは風力発電と比べると安く、手を出しやすい投資といえます。
設置できる場所が多い
太陽光発電は、設置できる場所が多いのもメリットです。住宅の屋根や壁面、駐車場や空き地など、さまざまな場所に設置できます。一方で、風力発電は適切な風の条件や十分な土地が必要であるため、設置場所が限られています。
騒音が少ない
太陽光発電は、稼働時の騒音が少ないです。そのため、太陽光発電所付近に住宅や会社などがあっても、騒音で問題になることはあまりないでしょう。また、住宅に設置している場合も、騒音が生活の妨げになることは考えにくいです。
対して、風力発電は回転するブレードや発電機から騒音が発生することがあり、周辺環境への配慮が必要です。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電のデメリットは、以下の2点です。
- 気候・時間帯によって発電効率が変わる
- 売電価格が年々下落している
気候・時間帯によって発電効率が変わる
太陽光発電のデメリットは、気候や時間帯によって発電効率が変わる点です。太陽光発電は太陽光を利用しているため、発電効率は天候や時間帯に大きく影響されます。たとえば、曇りや雨の日、朝晩など日照時間が短い時間帯では、発電量が減少します。
発電量を維持するためには、蓄電池を活用するのがおすすめです。気候や時間帯によって発電量が低い状況でも、蓄えられた電力を使って電力供給ができます。
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売電価格が年々下落している
太陽光発電の売電価格が年々下落している点も、デメリットとして挙げられます。太陽光発電で発電した電力を売電する上で欠かせないのが、FIT制度です。FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電力を、一定期間一定価格で買い取ることを保証する制度です。このFIT制度で定められている売電価格が、年々下落しているのです。
しかし、売電価格が下落する一方で、太陽光発電の初期費用も下がっています。そのため、初期費用に対する売電収入、つまり利回りは数年前と大きく変わりません。売電価格の下落は大きなデメリットとは考えにくいでしょう。
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風力発電のメリット
風力発電のメリットは、以下の2点です。
- 発電効率が良い
- 風があれば24時間発電できる
それぞれ解説していきます。
発電効率が良い
風力発電は、太陽光発電よりも発電効率が良いというメリットがあります。風力発電の発電効率は最大30〜40%ほどである一方で、太陽光発電の発電効率は最大20%ほどとされています。つまり、風力発電の方が発電効率が高いことが多いです。
風があれば24時間発電できる
風力発電は、風があれば24時間発電が可能です。風力を利用して電力を生成しているため、風さえあれば連続して発電できます。そのため、安定して風が吹いている地域であれば、風力発電は有望な再生可能エネルギー源となります。
風力発電のデメリット
風力発電のデメリットは、以下の通りです。
- 初期費用が高い
- 土地選びが難しい
- 投資実績が少ない
初期費用が高い
風力発電には、風力タービンや送電設備などの大型設備が必要であり、設置や輸送にかなりのコストがかかります。また、設置には広い土地が必要であり、土地の購入や借地にも多額の費用がかかるでしょう。
また、風力発電の初期費用は、陸に設置するか海に設置するかでも変わってきます。
土地選びが難しい
風力発電の大きなデメリットは、土地選びが難しい点です。風力発電を設置するためには、以下のような条件が揃っている必要があります。
- 一定の強さで風が吹いている
- 使用されていない広い土地がある
- 騒音が問題にならない
- 景観を損ねない
- 生命体に影響を与えない
このような条件が揃っている土地を探すのは難しく、風力発電の普及が進まない要因の一つとなっています。
投資実績が少ない
風力発電は投資実績が少ない点もデメリットになり得ます。初期費用の高さや土地選びの難しさから、太陽光発電投資と比べて実績が少ない状況です。
投資実績が少ないと、投資費用の回収シミュレーションの精度が低かったり、融資を受けることが難しくなる可能性があります。
まとめ
当記事では、太陽光発電と風力発電のメリット・デメリットを比較して紹介しました。太陽光発電のメリットは、風力発電と比べて初期費用が安く、設置場所の選択肢が広い点です。対して風力発電のメリットは、発電効率が高く、風があれば24時間発電が可能な点です。
つまり、土地などの条件があえば、風力発電の方が発電量を担保できます。しかし、他国と比べて土地が少ない日本では、太陽光発電の方が適していると言えます。
手軽に始めるのであれば、太陽光発電の方がおすすめです。興味のある方は、プレグリップエナジーにお気軽にお問い合わせください。