太陽光発電の屋根貸しとは|仕組みやメリット・デメリットを解説

太陽光発電の屋根貸しとは|仕組みやメリット・デメリットを解説

「太陽光発電を自宅に設置したいが、初期費用が高くて難しい」
「自社のデッドスペースを有効活用したい」

このような方に向けて、今太陽光発電の屋根貸しが注目されています。屋根貸しとは、自宅や自社の屋根を貸し出し、太陽光発電業者が太陽光パネルを設置するというものです。

本記事では、この屋根貸しの仕組みや、メリット・デメリットについてを紹介していきます。太陽光発電に興味のある方は、ぜひご一読ください。

目次

太陽光発電の屋根貸しとは

太陽光発電の屋根貸しとは、工場や住宅などの屋根を貸して、太陽光発電事業者が太陽光パネルを設置することを指します。太陽光発電を設置しようとすると、数百万円の初期費用がかかったり、定期的なメンテナンスが必要になります。

しかし太陽光発電の屋根貸しは、初期費用がかからず、メンテナンスも太陽光発電事業者が代行してくれます。代わりに太陽光発電業者が売電収入を得て、その中から屋根の所有者に賃料を払います。契約者は、デッドスペースになりがちな屋根・屋上を活用し、毎月安定した賃料を得ることができるという仕組みです。

太陽光発電の屋根貸しには、以下の3パターンがあります。それぞれ具体的に紹介していきます。

屋根貸しモデル

屋根貸しモデルとは、所有している自宅の屋根スペースを太陽光発電事業者に貸し出すモデルです。初期費用やメンテナンス費用、修繕費用も太陽光発電業者の負担です。このモデルだと、屋根貸ししている太陽光発電で発電した電気を、非常用電源として利用することができる場合があります。

太陽光発電の屋根貸しは、売電収入の中から賃料収入を支払うため、ある程度の発電力を見込める大きさの屋根に設置をしなければなりません。そのため屋根が小さい場合は導入ができないことがあります。

PPAモデル

PPAとはPower Purchase Agreement(電力販売契約)の略で、太陽光発電事業者が契約者の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電気を契約者が購入して利用することができるモデルです。契約満了後は、太陽光パネル一式が無償譲渡されることもあります。

契約者が電気を購入することができるのはメリットですが、電気使用量が450kWhを超える場合は、次に紹介するリースモデルの方がお得になります。

リースモデル

リースモデルとは、毎月リース料金を支払うことで初期費用無料で太陽光パネルを設置できるモデルです。リースモデルの最大の特徴は、発電した電気を自家消費することができ、その余剰分は売電することができるという点です。

また他2つのモデルと比較して設置条件が少なく、どのような自宅でも太陽光発電を設置することができます。

太陽光発電用に屋根を貸す5つのメリット

太陽光発電用に屋根を貸すメリットは何があるのでしょうか?ここでは具体的に5つ紹介していきます。

1. 初期導入コストがかからない

太陽光発電を導入する場合、太陽光パネルや架台など設備一式の購入費用や、設置工事費用がかかります。家庭用太陽光発電であれば、初期費用の相場は約100万円です。

しかし太陽光発電の屋根貸しであれば、この初期費用はかかりません。0円で太陽光発電を始めることができるため、導入までのハードルが低いのが特徴です。

2. 維持費(メンテナンス費用)がかからない

太陽光発電の屋根貸しは、太陽光発電には欠かせないメンテナンスの費用もかかりません。メンテナンスは全て太陽光発電業者が代行し、費用負担もありません。

また、太陽光発電のメンテナンスは定期的に行う必要があります。自身で所有している場合、定期的に行わなければいけないメンテナンスのスケジュール管理をするのも大変です。このような手間がかからないのも屋根貸しのメリットの一つです。

3. ローンを組む必要がない

太陽光発電を購入する際、ローンを組む人も少なくありません。しかし、車や家の建て替えなどでこれからローンを組むことを検討しているのであれば、太陽光発電でローンを組むことは少し躊躇われるでしょう。

しかし、太陽光発電の屋根貸しであれば初期費用がかからないため、ローンを組む必要がありません。

4. 事業会社から賃料を得られる

屋根貸しの最大のメリットは、太陽光発電の事業会社から賃料を得ることができる点です。契約によって一定額か変動額かは異なりますが、定期的に賃料収入が入ってきます。

またマンション経営などを行っている方には、サイドビジネスとして人気です。賃料に加えて屋根貸しによる賃料を得ることができます。

5. 非常用電源として利用できる場合がある

屋根貸しのプランによっては、太陽光発電で発電した電気を非常用電源として利用することができます。先述したリースモデルが該当します。

全ての太陽光発電事業者がリースモデルのプランを用意しているわけではありませんが、非常用電源を確保しておけるというのも大きなメリットです。

太陽光発電用に屋根を貸す3つのデメリット

反対に、太陽光発電用に屋根を貸すデメリットは何があるのでしょうか?ここでは具体的に3つ紹介していきます。

1. 自家消費はできない場合がある

太陽光発電で発電した電力を非常用電源として利用できる契約でも、自家消費はできない場合が多いです。太陽光発電業者は発電した電気をできるだけ売電して収入を得ることが目的であるからです。

しかし、太陽光発電の契約者に向けて安い料金プランを用意している電力会社もあります。このようなプランを利用すれば通常よりも電気代を削減することができるため、料金プランについても確認することをおすすめします。

2. 売電収入を得ることができない

自身で太陽光発電を所有していれば、全量もしくは余剰売電によって収入を得ることができます。しかし屋根貸しであれば、所有者は太陽光発電業者になるため、売電収入は太陽光発電事業者が得ます。

代わりに賃料収入を得ることができるというビジネスモデルであるため、売電収入を得ることができない点には注意しましょう。

3. 契約満了後に自分の所有物にならないこともある

契約満了後、基本的には自分の所有物にはなりません。中には所有物になる契約もあるかもしれませんが、返却をするのが一般的です。

そのため契約満了後に太陽光発電を継続する場合は、新規で屋根貸しの契約を行うか、自身で購入をする必要があります。

まとめ

本記事では、太陽光発電の屋根貸しの仕組みや、メリット・デメリットについて紹介しました。太陽光発電の屋根貸しは、太陽光発電業者が契約者の屋根に設置をし、契約者は賃料収入を得ることができるというビジネスモデルです。

初期導入コストや維持費がかからず、導入までのハードルが低いのが特徴です。しかし自身で太陽光発電を設置するわけではないので、賃料収入を得ることはできません。

このようなメリットやデメリットを認識して、太陽光発電を所有するのがいいか、屋根貸しがいいかをぜひ検討してみてください。

この記事の監修者

佐藤 稔(さとう みのる)

株式会社プレグリップエナジー 再エネ営業部

固定価格買取(FIT)制度開始以来、約10年にわたり太陽光発電所の開発・売買にたずさわり、1,000件以上の案件にかかわる。再エネ特措法をはじめ再エネ関連法令に精通しており、イレギュラーな案件での実績も豊富。発電所の買取では、お客さまごとのご要望に合わせた誠実な対応を心がけている。

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