バイオマス発電は効率が悪い?
バイオマス発電とは、食品廃棄物や家畜の糞尿といった有機性の燃料を燃やしてエネルギーを作り出す発電方法です。
バイオマス発電は地球環境に優しい自然エネルギーですが、効率性に課題があるとされています。
石油火力発電では、電気への変換効率は40%ほどあるとされていますが、バイオマス発電は大規模な高効率でも25%程度しかありません。
その理由は、化石火力と比較して燃焼温度が低いからです。
バイオマス発電の効率は、水分の割合で左右されます。
一般的なバイオマス燃料の水分割合は40%から50%です。
しかし、水分の割合が多いと発電効率は低下します。
そのため、バイオマス発電の効率を改善するためには、バイオマス燃料を乾燥させて、水分の割合を小さくする必要があるのです。
バイオマス発電の反対派は、バイオマス燃料の運搬、乾燥などに手間と時間、コストがかかるにも関わらず、大きなエネルギーとならないため、効率が悪いといった意見を持っています。
バイオマス発電における効率性を改善することができれば、賛成派も増えるのではないでしょうか。
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熱の有効活用で発電効率を向上
バイオマス発電は、発電だけでなく熱も有効活用すると、エネルギー変換効率は75%ほどまで上がります。
暖房などの熱利用も考えると有効な方法と言えるでしょう。
排熱の利用が重要なポイントとなり、コージェネなどを行ってエネルギー効率を上げる工夫が必要です。
コージェネとは、コージェネレーションの略で、熱源より電力と熱を生産して供給するシステムです。
日本国内では電熱併給、海外ではCombined Heat & PowerやCogenerationと呼ばれています。
コージェネにはエンジンやタービンなどの内燃機関や燃料電池で発電を行ったときに発生する熱を活用する方法です。
近年、原動機の高効率化が進んでいるため、40%以上の発電効率、熱のカスケード利用により35%以上の廃熱回収効率が得ることができ、高い総合効率を実現できます。
バイオマス発電の効率を良くする方法はあります。
これからバイオマス発電の導入を検討している人は、水分の割合を小さくする工夫や、熱の有効活用方法を考えることが大切です。
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